2025年7月頃予定の高速道路深夜割引制度の見直しの内容

2025年7月頃予定の高速道路深夜割引制度の見直しの内容
2025.04.21配送コラム

2025年7月頃予定の高速道路深夜割引制度の見直しの内容

NEXCo東日本・中日本・西日本の3社が高速道路の深夜割引制度の見直しを検討し、2025年7月頃(12日からともいわれている)から改定後の割引制度への実施を行うと発表しました。

本記事では高速道路の深夜割引制度の見直しによって、どのように料金が変化するのかや料金の計算方法などについて紹介します。

・高速道路の深夜割引見直しの背景
・高速道路の深夜割引はなぜ始まったのか
・高速道路の深夜割引の見直しの内容について
・危険な運転を抑止するための措置
・見直し後の深夜料金はどうなる?

高速道路の深夜割引見直しの背景

これまでNEXCo東日本・中日本・西日本の高速道路では、深夜に高速道路を利用する車両について深夜割引を実施していました。

対象となるのはETCを搭載した車両に限り、0時~4時までに対象区間を走行した車両にのみ行っており、その割引率は30%となっていてトラックにとってはありがたい制度でもあります。

そのためトラックの利用率が高いだけではなく、一般の乗用車の中にも少しでも安く遠方へ行く時などに、深夜割引の時間帯を狙って高速道路を利用する車両も増えました。

その結果高速道路の出口付近では、毎日渋滞など混雑が続き問題となっていたのです。

高速道路の深夜割引はなぜ始まったのか

ここで、なぜ高速道路の深夜料金割引が始まったのかについて簡単に説明します。実は高速道路の深夜割引制度がスタートする前は、高速道路と並行する一般道路の渋滞が多く環境問題にもなっていました。

高速道路を走行するよりもお金がかからないため、高速道路を利用しない車両が多かったわけです。そこで高速道路と並行している一般道路の環境を改善すべく始まったのが深夜料金割引でした。

割引率も30%という事もあって、深夜帯に高速道路を利用する車両が増えていったというわけです。

高速道路の深夜割引の見直しの内容について

高速道路の深夜割引の見直しについて、NEXCo東日本・中日本・西日本では以下のように発表しています。

・割引適用時間帯の走行分のみ3割引きとする
・割引適用時間帯は0時~4時を22時~5時へと変更する
・深夜割引の見直しに合わせて400km超の長距離逓減制を拡充

まず割引率については現行と変わりはありません。また割引適用時間帯が22時~5時と拡大されたため、ある程度余裕のある走行ができると考えられているようです。

深夜割引に合わせて400kmを超える場合は割引率が変更となる逓減制(ていげんせい)が実施されるため、走行距離が長ければ長いほど割引率が高くなり料金が安くなっていきます。

危険な運転を抑止するための措置

一見すると良い事ばかりのように感じるかもしれませんが、少しでも割引時間内に距離を稼ごうとスピードを上げて走行するドライバーがいないとも限りません。

そこで割引対象距離が設けられ、普通自動車と軽自動車の割引対象距離は1時間あたり100km + 5kmが上限となり、大型車以上の貨物自動車などは1時間あたり90km + 5kmが上限となります。

また、4時間を超えると走行時間から休憩時間の30分を除外して計算されるため、長時間走行したりスピードを出しても割引対象とはみなされません。そのため適度な休憩を取る必要が出てきます。

こうした新しい計算方法によって、高速道路での事故を未然に防ぐ目的も果たされるようになっています。

見直し後の深夜料金はどうなる?

高速道路の深夜料金の見直し後、22時台に高速道路を出た場合は22時台に走行した分は深夜割引の割引率が2割になります。また、料金についてはETCで正規の料金を徴収されます。

これまでは料金所で割引した金額が引かれていましたが、見直し後は支払った料金の中から割引分を計算して後日「ETCマイレージサービス」または「ETCコーポレートカード」への還元型になります。

ただし長距離逓減制の拡充は除きます。

今回の見直しに際して背割引適用時間帯の走行分を把握するため、高速道路上へのETC無線通信アンテナの設置、システム改修を行う必要があります。

しかしシステムを改修するために必要な半導体の不足が影響しているため、導入時期はハッキリとした期日は決まっていません。

ここまで、高速道路の深夜割引の実施と内容について紹介してきました。今後の割引制度になれば短距離・中距離を走行するトラックについてはあまり変化はなさそうです。

しかし長距離ドライバーにとっては割引率が上がるので、今よりお得な料金での輸送が実現しそうです。また、休憩時間やスピードの出し過ぎも必要なくなるので事故抑制にもつながります。

良い事ばかりとは言いませんが、ドライバーの健康状態維持や無謀な運転を抑制できる仕組みになっています。