建設業の倒産・休廃業5,937件。分かれ目は「届く経路」の数だった
- 2026.08.14配送コラム
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建設業の倒産・休廃業5,937件。分かれ目は「届く経路」の数だった
HOUND JAPAN COLUMN
明暗を分けたのは、
規模ではなく「届く力」だった── 家が減っていく国で、なぜ「運ぶ仕事」は増えるのか
2026年8月10日、日本経済新聞は、戸建て住宅市場で大手と中小の明暗が鮮明になっていると報じました。中東情勢に端を発したナフサ不足。その影響が、企業の規模によってまったく違う形で表れています。
関東近郊のある工務店は6月、屋根材と断熱材が確保できず、2つの現場で工事を中断しました。
住宅業界の話です。けれど、現場が止まった直接の理由は「建てられなかったこと」ではありません。「届かなかったこと」でした。
資材が届かない。それだけで、現場は止まる。
家を建てるのに必要なのは、木材だけではありません。断熱材、塩ビ管、接着剤、建具、電材、住宅設備。そのうちのどれか一つが欠けるだけで、施工は前に進みません。
資材が届かなければ、現場が止まる。現場が止まれば、工期が延びる。工期が延びれば引き渡しができず、代金も入らない。そして資金繰りが、一気に厳しくなる。
実際に帝国データバンクも、建設業では資材価格の高騰や人手不足に加え、部材不足による工期の遅れが事業継続を難しくする要因になっていると分析しています。
物流は「商品を運ぶ仕事」だと思われがちです。
けれど実際には、企業活動を止めないための仕事でもあります。明暗を分けたのは、規模ではなく「届く力」だった
同じナフサ不足に直面しながら、大手ハウスメーカーの結果は違いました。住友林業は、影響が懸念された塩ビ管や接着剤について調達先を拡大して確保し、引き渡しの遅れは発生しなかったと説明しています。大和ハウス工業や飯田グループホールディングスは、この期間にむしろ売上戸数を伸ばしました。
資材そのものは、大手にも中小にも等しく不足していたはずです。それでも差がついた。分かれ目になったのは、「どこから、どうやって、いつまでに手元へ届けるか」という経路を、いくつ持っていたかでした。
調達も配送も一本しかない状態は、平常時にはいちばん効率的に見えます。無駄がなく、コストも低い。けれど何かが起きた瞬間、それはいちばん脆い構造に変わります。
これは住宅業界だけの話ではありません。仕入れも、出荷も、店舗への納品も、お客様への配送も、構造はまったく同じです。いつもの一社に任せていれば回る。その状態が長く続くほど、それ以外の選択肢は検討されなくなっていきます。
けれど実際に困るのは、たいてい「いつも通り」が崩れた日です。急な増便。想定外の欠品。担当ドライバーの離脱。そのときに動ける相手を持っているかどうかで、止まるか、止まらないかが分かれます。
家が減っていく国で、なぜ「運ぶ仕事」は増えるのか
国土交通省によると、2025年度の新設住宅着工戸数は前年度比13%減の71万1171戸。野村総合研究所は、2040年度には61万戸まで減ると予測しています。人口が減り、市場そのものが縮んでいく。
では、運ぶ仕事も一緒に縮んでいくのでしょうか。おそらく、逆です。
作る量が減るほど、企業は在庫を抱えなくなります。抱えない分、必要なものを、必要なときに、少量ずつ、何度も運ぶことになる。大量に一度ではなく、小口で多頻度に。しかも「今日中に」「明日の朝までに」という緊急性を伴って。
屋根材が一種類足りないだけで止まった現場に必要だったのは、大型トラック一台分の資材ではありません。足りない分を、明日までに、確実に。それが届くかどうかでした。
これは軽貨物がもっとも力を発揮する領域です。市場が縮小し、物流が細かくなるほど、小回りの利く配送の出番は増えていきます。一台まるごと埋まらない荷物。ルートに乗らない例外の一件。時間指定の効く緊急便。そうした「大きな仕組みからこぼれる配送」を引き受けられるかどうかが、これからの物流の分かれ目になります。
EC市場の拡大も、企業間配送の細分化も、方向は同じです。運ぶ量が増えるというより、運ぶ回数と、運び方の種類が増えていく。その変化に対応できる体制が、荷主にとっての備えになります。
どれだけ優れた製品を作っても、最後に届かなければ価値は生まれません。物流の世界では、届け先までの最後の区間を「ラストワンマイル」と呼びます。日本経済は、この無数の「届いた」の積み重ねで動いています。
「人がいない」で会社が消える時代に
帝国データバンクによると、2026年上半期の企業倒産は5,335件。そのうち人手不足倒産は227件で、上半期として過去最多を更新しました。業種別に見ると、最も多いのは建設業の65件。そして運輸・通信業が38件で続いています。
建設と物流が並んでいるのは、偶然ではありません。どちらも、現場に人がいなければ止まる仕事だからです。
日本はいま、「仕事がない国」から
「仕事はあるのに、担う人が足りない国」へ変わりつつあります。仕事を探す側から見れば、これは静かな追い風です。「経験がある人」だけでなく、「これから担い手になれる人」の価値が、確実に上がっていきます。
配送に必要なのは、運転技術だけではありません。時間を守る。荷物を丁寧に扱う。届け先と気持ちよくやり取りする。一日の段取りを自分で組む。想定外にも落ち着いて対応する。そして、毎日確実に届ける。
一つひとつは、特別なことではありません。けれど、その積み重ねを続けられる人が足りていない。だからこそ、未経験からでも十分に担い手になれる余地があります。
そして、こうした基準は個人の資質だけで決まるものではありません。どんな環境で始めるか、誰と一緒に働くか、困ったときに相談できる相手がいるか。そうした条件が、時間をかけて仕事の質をつくっていきます。だからこそ私たちは、入口の環境を整えることを大切にしています。
一件の配送の先には、家を建てる人がいて、商品を売る人がいて、それを待っている誰かがいます。
荷物を届けることは、誰かの仕事を前に進めること。
そして、社会を止めないこと。ハウンドジャパンは、横浜・神奈川および首都圏で、その「届く力」をつくる会社です。運びたい方にも、運ぶ側になりたい方にも、入口を用意しています。
FOR DRIVERS
これから「担い手」になる方へ
未経験からのスタートも、独立・開業も。
ご自身の状況に合う入口からご覧ください。