求人倍率2倍超が68カ月連続。 それでも輸送力不足は改善している、という数字
- 2026.10.04配送コラム
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求人倍率2倍超が68カ月連続。 それでも輸送力不足は改善している、という数字
HOUND JAPAN COLUMN
求人倍率2倍超が68カ月連続。
それでも輸送力不足は改善している、という数字ドライバーの求人倍率は、相変わらず高い水準が続いている。
それなのに、国の試算では輸送力不足の見通しは改善しつつあるという。
一見矛盾するこの2つの数字を、今回は読み解いてみたい。2030年度には輸送能力が約34%不足するという国土交通省の試算があります。
今回は、その後の最新データを踏まえ、ドライバーの求人倍率という「現場の人手不足感」と、国全体の「輸送力不足の見通し」という2つの数字を並べて見てみます。
01|ドライバー職の求人倍率は、68カ月連続で2倍台
自動車運転職の有効求人倍率は、2020年10月以降68カ月連続で2倍台を維持しています。
2026年に入ってからも、1月2.66倍、3月2.51倍、4月2.40倍、5月2.37倍、6月2.42倍、7月2.53倍と、常に全職種平均を大きく上回る水準で推移しています。
求人を出しても2倍以上の応募先を奪い合う計算になり、ドライバーという仕事の担い手を確保すること自体が、業界の慢性的な課題であり続けていることが分かります。
02|一方で、輸送力不足の見通しは改善している
これだけ聞くと状況は悪化する一方のようにも思えますが、国土交通省が2026年度〜2030年度を対象にまとめた「総合物流施策大綱」では、
2024年問題を契機とした各種対策により、当初想定されていた2030年度の輸送力不足約34%のうち、約14%分はおおむね克服できたと評価されています。
最新の再検証では、2030年度の不足幅は平均約7%、最大でも約25%にとどまる見通しに改善されました。
背景には、トラックの積載効率が2019年度の37.7%から2024年度には41.3%へと向上したことなど、効率化の積み重ねがあります。
POINT
ドライバー職の求人倍率は68カ月連続で2倍台(2026年7月時点2.53倍)。
一方、2030年度の輸送力不足見通しは、約34%→平均約7%・最大約25%へ改善。
「人は増えにくいが、効率化で穴は埋まりつつある」というのが現在地。03|2つの数字がねじれて見える理由
矛盾しているように見えるこの2つの数字は、実は別々の問いに答えています。
求人倍率は「現場で今すぐ人を確保できるか」という瞬間的な需給を映す数字で、改善の兆しはまだ見えません。
一方、輸送力不足の見通しは「社会全体で荷物をきちんと運びきれるか」という中長期の構造的な数字で、積載効率の改善や自動化投資などによって底上げが進んでいます。
つまり、人手不足という現場の実感は変わらない一方で、限られた人と車両をより効率的に動かす工夫が、社会全体の輸送力を下支えしているということです。
04|軽貨物が埋めている「効率化では届かない」部分
積載効率の改善は、主に幹線輸送や大口の荷物を対象にした取り組みです。
一方、小口で分散した荷物を、必要なタイミングで玄関先まで届けるラストワンマイルの領域は、効率化だけでは解決しきれません。
機動力のある軽貨物が、スポット便や定期便といった柔軟な形で需要の波を吸収していることも、輸送力不足の実際の改善幅を支えるひとつの要因だと私たちは考えています。
まとめ:人手不足は続くが、構造的な危機は後退している
ドライバーという仕事の担い手を確保する難しさは、これからも変わらず続いていくでしょう。
それでも、業界全体の工夫の積み重ねによって、「物が運べなくなる」という最悪のシナリオは少しずつ遠ざかっています。
求人倍率という「今」の数字と、輸送力不足見通しという「これから」の数字、その両方を見ておくことが、物流を取り巻く状況を正しく捉える手がかりになります。
※本コラムは厚生労働省の職業安定業務統計(自動車運転職の有効求人倍率)、国土交通省「総合物流施策大綱(2026年度〜2030年度)」、および積載効率に関する統計をもとに、軽貨物配送の視点から執筆したものです。
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