【2024年問題】ドライバーの時間外労働上限規制実施と今後
- 2024.02.19配送コラム
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【2024年問題】ドライバーの時間外労働上限規制実施と今後
2024年4月から、いよいよ開始されるのが「ドライバーの時間外労働の上限規制」です。本記事ではドライバーの働き方の変化と、それに伴い運送業界のこれからの問題点を紹介していきます。
・ドライバーの時間外労働の上限規制とは
・ドライバーの時間外労働の上限規制の理由
・ドライバーの時間外労働の上限規制で想定される問題点
・時間外労働の上限規制実施後どうなる?ドライバーの時間外労働の上限規制とは
ドライバーの時間外労働の上限規制は2024年4月から実施される規制です。一般的な企業とは違い運送業界では労働時間がどうしても長時間になりやすい傾向にありました。そこで政府はドライバーの過酷な労働時間の見直しを検討したのです。ほかの業界と比較しても労働時間が長時間化していたことを踏まえ、一般的な企業の労働時間との差を縮める目的もありました。そして実施される令和6年4月からは、ドライバーの労働時間にも上限制限がかかります。
ドライバーの時間外労働の上限規制によって、原則として月45時間の労働、そして年間で360時間の時間外労働が認められることになります。
確かにドライバーの時間外労働の上限規制によって、過酷な時間外労働は軽減され健康状態も保ちやすくなる可能性は高くなるかもしれません。しかしなぜ上限規制が行われることになったのかその理由をお話しします。
ドライバーの時間外労働の上限規制の理由
運送会社はお客様の荷物を預かり目的地へとトラックなどを使って輸送するのが仕事です。基本的には運送会社の倉庫または指定された場所に荷物を積み込みに行き、荷物を積んで送り先にトラックで輸送します。このとき、輸送する距離によっては数日間かけて荷物を運ぶ必要があります。当然ですが一般的な企業でお勤めの方とは仕事の形態が異なり、長時間労働になりやすい傾向にあるのです。
実際に厚生労働省の調べによると、一般的な企業の平均と比べてもトラックドライバーの労働時間はおよそ400時間も多いとされています。この時間外労働を含む年間労働時間の差を埋めようとしているわけです。
ドライバーの時間外労働の上限規制で想定される問題点
年間労働時間の多さを是正するために実施されるドライバーの時間外労働の上限規制ですが、ただ単に労働時間が少なくなったからいいというものではありません。当然良い点もあれば悪い点もあります。例えば良い点としては労働時間が少なくなるので身体への負担が軽減されることが予想できます。家族がいる方なら家族と過ごす時間が増えて良かったと感じるドライバーもいるかもしれません。
しかし悪い点としては労働時間が少なくなることで収入が減る不安や、運送業界でさばききれる荷物の量が減少するのでは?といった不安もあります。
こうなると輸送できる荷物の量が限られてしまう可能性もあるため、メリットより問題点についての不安の方が大きい企業もあるようです。
時間外労働の上限規制実施後どうなる?
ドライバーの時間外労働の上限実施後の問題を解決する方法はいくつかあります。ドライバー不足を解消するために、運送会社では軽貨物などの個人事業主への依頼が増加すると予想されます。もちろん軽貨物ドライバーも法律は守る必要はありますが、これまで以上に請け負う仕事を見つける難易度が下がる可能性があります。これはこれから個人事業主として軽貨物をスタートする方にとっては朗報です。
これはここ数か月の間に大手運送会社が個人事業主の軽貨物の獲得に向けて動いていることからもわかり、これから軽貨物へと参入する方にとっては朗報だといえます。
大手運送会社にとってドライバーの時間外労働の上限規制は頭の痛いところですが、個人の軽貨物業者にとっては仕事量の確保につながる法改正でもあります。
つまり運送業界にとっての2024年問題は、大手と個人の運送業者にとってはウィンウィンになる法改正なのかもしれません。
もし今後、個人で軽貨物業者への転職を検討されているなら2024年は事業をスタートするまたとないチャンスです。安定した仕事量の確保のために今から準備をしてみてはどうでしょうか。
ここまでドライバーの時間外労働時間の上限規制と、2024年問題について説明しました。この記事が今後軽貨物を個人で開業している方のお役に立てれば幸いです。