運送業界では荷主と業者の間で毎日何時に集荷して、いついつまでに送り先に運送するといった取り決めがあります。一般家庭の宅配便のような突発の仕事はあまりありません。

しかし、何らかの事情で突発的に荷物を送る必要が出るケースもあります。こうした突発的に出る荷物を「スポット便」として扱うのです。

他にも、集荷の時間に間に合わなかった荷物の中で、次の便では間に合わないケースでもスポット便として運送を依頼される場合もあります。

実はスポット便は軽貨物に非常に人気があります。その理由をいくつかご紹介します。

運送業の特徴として、取引先がほぼ決まっているため意図せずルート配送と近い状況で仕事を行います。ところがスポット便は荷主も突発で出すため、いつも運送しているのとは違う場所が多いです。

つまり配達先が同じではないので、いつもと違ったルートを走れるので気分転換にもなります。たまには違う景色を見たり違う道路を走ったりすれば、気分転換だけじゃなく道も覚えられるのもメリットです。

スポット便が人気なのは単価が通常の運賃よりも高い点です。恐らくこれが一番の理由となり、効率よく仕事をして稼ぎたい方にとって、できればスポット便を多く受けたいと考えるのは当然かもしれません。

単価が高い理由は突発的な仕事だからといった理由もありますが、実はスポット便は長距離になるケースも多く、一回の仕事で数万円の収入を得られます。

長距離が多い理由は、荷主が荷物を運送するのには時間がかかり、他の仕事に支障が出る可能性があるため、軽貨物に依頼した方が安くつくからです。だからスポット便は単価が高くなります。

突発の仕事で長距離の運送になるため、荷主の方からは感謝されるケースが多いです。荷主からすれば荷物を運送してもらわなければ仕事や信用にかかわりますし、緊急のときに助けてもらった気持ちを強く感じます。

荷主からすれば緊急のとき、つまり困ったときに気持ちよく助けてもらった印象を強く感じるもので、次の仕事にもつながりやすくなります。

もし定期的にスポット便の仕事の依頼をしてもらえれば、収入アップにつながるので非常にメリットが高い仕事なのです。

単価が高額で非常に人気が高いスポット便ですが、長距離の荷物が多いのがデメリットです。例えば大阪-東京の場合だと、高速道路を使ってもかなりの距離です。

運転中の事故や体調不良には十分配慮しなければなりません。また、ときには事故などによる渋滞に巻き込まれるケースもあるので、道路状況を把握しつつスムーズに運送する必要もあります。

それ以外ではスポット便を受けるデメリットはありません。ガソリン代や高速代などの料金についての確認を、荷主とあらかじめしておくことをおすすめします。

効率よく稼ぐならスポット便の専属ドライバーとして仕事をした方がいいと考える方もいます。確かに近距離で大量の荷物を運送するよりも、スポット便だけを扱えば距離こそあるけど稼げそうです。

しかしスポット便は突発の荷物が出た場合に発生する仕事です。つまり毎日発生する可能性は多くはありません。なのでスポット便があれば受ける、他の日は通常の運送を行うのがベストです。

それでもスポット便を中心に仕事を探したいと考えるのならば、効率よくスポット便を見つけられる工夫をしなければなりません。

まず軽貨物ドライバーのためのサービスを上手に活用します。最近はさまざまなジャンルのマッチングサービスがあり、軽貨物のマッチングサービスでは、運送会社と軽貨物の個人事業主をマッチングするためのものです。

1つだけではなく、2件～3件くらいのマッチングサービスを活用し、スポット便が出たらすぐに応募して契約を取ります。もちろん運送会社との業務委託契約を結ぶのもおすすめです。

もう1つの方法はフランチャイズ加入をして仕事を受ける方法ですが、運送会社やフランチャイズ加盟は安定した仕事量の確保が可能ですが、スポット便に絞って仕事は選べません。

なので、どうしてもスポット便だけで頑張りたい方は、マッチングサービスを活用して仕事を確保するのがおすすめです。