働き方改革による物流の2024年問題とは?

働き方改革による物流の2024年問題とは?
2023.02.06配送コラム

働き方改革による物流の2024年問題とは?

物流に携わる方ならどなたでも不安に感じるのが2024年問題です。
本記事では2024年問題の原因・懸念される問題点、そして対策について紹介しています。

・2024年に何が起こる?
・ドライバーの時間外労働の制限による問題点
・運送業者にとっての2024年問題
・ドライバーにとっての2024年問題
・荷主にとっての2024年問題
・物流業界が2024年までに整えるべき課題
・コンプライアンスの確保で物流業界を守ろう

2024年に何が起こる?

物流業界で働く労働者の時間外労働が問題視されています。無理な運航スケジュールによるドライバーの健康不良による事故や、超長距離輸送によるドライバーの過酷な労働条件が問題視されているのです。

そのため、2024年4月1日からトラックドライバーの時間外労働の時間が、年間960時間に制限されます。一見すると労働時間が減るので業務改善ができるかと思われます。

しかしこのドライバーの時間外労働の時間の制限によって、運送業界ではさまざまな問題が起こるのが予想されているのも事実です。

ドライバーの時間外労働の制限による問題点

ここではドライバーの時間外労働の時間の上限の制限によって、どのような問題が起こるのかを具体的に紹介します。

運送業者にとっての2024年問題

まずは運送業者に起こる可能性が指摘されている問題3つを解説していきます。

問題①売上や利益が下がる

運送業者の2024年問題は深刻です。コロナの影響でECサイトの利用者が激増し、運送業界にとってはドライバー不足となるほど仕事量が増えています。しかし一方でガソリン代の高騰により経費の負担も問題です。

そんな中でドライバーの時間外労働時間の上限が決められてしまうと、従来の売上や利益を維持するのが難しくなります。

問題②運賃の値上げをせざるを得ない

ガソリン代の高騰によって経費がかかる上に、ドライバーの労働時間に上限が設けられてしまうため、これまでの運賃での輸送が難しくなってしまいます。

こうした理由から、運賃の値上げをせざるを得ません。

問題③ドライバーの離職率が上がる可能性がある

ドライバーの時間外労働時間の上限を守らなければ罰則を受けます。もし摘発されれば6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられるため、上限を守らなければなりません。

しかし時間外労働の上限以内が設けられるため、ドライバーの収入も減少する可能性があります。これによりドライバーの離職率が上がる可能性も問題視されているのです。

ドライバーにとっての2024年問題

時間外労働の上限が960時間以内と設定されていますが、実は将来的には一般的な企業の時間外労働の上限と同じ720時間を目標としています。そのため賃金そのものが上がらない限り収入が減ると予想されます。

荷主にとっての2024年問題

燃料費の高騰やドライバー不足によって、運賃の値上げが予想されます。そのため荷主側としても配送コストが上がる可能性が高いです。

物流業界が2024年までに整えるべき課題

これまで、物流業界では長時間労働や低賃金がしばしば取りざたされていました。過酷な労働イメージから若い方の参入が少なく、ドライバーの高齢化が進んでいるのも問題となっています。

実はこうした過酷な労働イメージを変えて、若いドライバーを確保するのも重要です。その理由のひとつがECサイトの利用者の急増による物流量の増加があります。

年々増える物流量をさばくには、若いドライバーの確保が必要不可欠です。そのため長時間労働・低賃金といった問題を改善し、人材確保を安定させる必要があります。

そのためにも労働時間や賃金を明確にし、働きやすい環境を整える必要があるわけです。

コンプライアンスの確保で物流業界を守ろう

ドライバーは過酷といった悪いイメージを払拭し、若い戦力を確保するためにもコンプライアンスを確保する必要があります。今頑張っている高齢ドライバーが定年を迎える前に、人材確保のためにも一丸となって物流業界を守る必要があるのです。
本記事では物流の2024年問題についてご紹介しました。求める働き方の参考になりますと幸いです。