まずはなぜ軽貨物ドライバーが運送業界未経験の方でも始められるのか、その理由をいくつか紹介していきます。転職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

今、軽貨物の需要が高い理由のひとつが新型コロナの感染拡大により、自分の足でショッピングをするのに不安を感じた方が、自宅でインターネットを利用してショッピングする方が増えたのが大きな原因です。

企業間の大量の荷物の移動と違い、個人の家への配送には大型トラックや中型トラックよりも、軽貨物のサイズの方が都合がよくスピーディーに配送が可能です。

しかし大手運送会社では、軽貨物を増やして配送業務を行うよりも、軽貨物を行う事業主に仕事を依頼した方がメリットがあります。こうした理由から軽貨物ドライバーの需要が高くなっているのです。

軽貨物は軽バンや荷物を配送するためのスペースがある軽自動車であれば問題ありません。しかも軽自動車は普通車やトラックよりも価格が安く、手に入れやすい車両でもあります。

低燃費の車両も多いため、燃料費のコストも安く済みます。中古車両であれば程度のいい車両が50万円程度から購入ができ、リースなら月額3万円くらいからレンタルできます。

こうした初期費用の安さも軽貨物事業への参入のしやすさにつながっています。

4トンや10トンなどの車両を運転するには、中型免許・準中型免許・大型免許が必要になるため、免許を取得していない方にとってはスタートに時間やお金がかかってしまいます。

しかし、軽貨物なら普通自動車免許を取得していればどなたでも参入が可能です。また、トラックだとAT専用免許よりMT車の免許が有利ですが、軽貨物ならAT免許の方でも問題ありません。

こうした理由から、軽貨物は業界未経験の方でも参入しやすい業界です。

実際に軽貨物を始めるためにはいくつかのステップを踏まなければなりません。ここでは、軽貨物を始めるまでの方法を紹介します。

まずは営業所と軽貨物の車両を駐車するスペースを用意しなければなりません。個人事業主の場合はほとんどの場合が自宅が営業所で、自宅の駐車スペースを利用します。

自宅を営業所と駐車場として使うのであれば、そのまま登録をすれば問題ありません。しかし別の場所を営業所にする場合は、営業所として使用する場所の住所と駐車場の住所が必要です。

仕事用の車両を用意します。少し前は軽バンや軽トラックじゃなければなりませんでしたが、今は荷物を置くスペースを確保しているのなら、車両の制限がありません。

実は、2022年10月から軽貨物自動車運送事業法の改定で、家庭用軽乗用車も対象となったためです。ただし積載できる重量制限があるため、家庭用軽乗用車だと最大積載量は少なくなります。

また、事業用ナンバー登録が必須になるため、登録は必ず行う必要があります。

事業用車両として登録するには、黒ナンバーの登録が必要です。黒ナンバーを取得すれば軽貨物ドライバーとして仕事が取れるようになります。

軽貨物の事業用ナンバーは取得に面倒な書類の提出や、整備管理者・運行管理者の確保なども必要ありません。営業所の住所と駐車場と車両そして1,600円の費用があれば簡単にできます。

登録するには、登録する地域にある運輸支局に必要書類を取りに行き、必要事項を記載してナンバーを発行してもらうだけです。

軽貨物事業者として登録ができ、黒ナンバーを取得できたらいよいよドライバーとして活動ができます。次に重要なのが荷主の確保です。荷主がいなければ荷物の配達業務が行えずお金を稼げません。

しかし、やみくもに荷主を探すのではなく、自分がどんな仕事をしたいのかを考え、自分の働くスタイルに合った荷主を探す必要があります。それぞれ家庭の事情に合った仕事を探せるのも軽貨物のメリットです。

たとえば、午前中は家のことをして午後から働く、スポットだけを狙って高額報酬を狙う、深夜帯だけに仕事をするといった選び方も可能です。