軽貨物事業の確定申告、青色申告の方がお得?

軽貨物事業の確定申告、青色申告の方がお得?
2023.10.20配送コラム

軽貨物事業の確定申告、青色申告の方がお得?

軽貨物事業で働いている方は、毎年2月16日~3月15日にかけて、忘れず確定申告しなければなりません。
しかし確定申告の方法によっては、思わぬ“損”をすることがあるのでご注意ください。

白色申告と青色申告、どちらで申告するのかは個人の自由です。
それぞれの特徴を紹介するので、ぜひ”得”になるほうをお選びください。

・白色申告とは
・青色申告とは
・軽貨物事業は、年収に関わらず必ず確定申告するべき?
・確定申告しないとペナルティが課される

白色申告とは

白色申告は、入金と出金を記録する簡易的な方法です。

最大10万円の控除しか受けられないうえ、経費として計上できる内容も限定されています。
しかし帳簿の記帳は簡易的で、決算書の作成も必要ありません。そのため「仕事が忙しくて申告に時間をかけられない」という方に選ばれる傾向があります。

青色申告とは

青色申告は複式簿記といい、複数の帳簿を作成しなければなりません。
ご自身で帳簿をつけている方は、作成を手間に感じることもあるでしょう。

しかし青色申告によるメリットは、白色申告よりも大きいです。

控除額は最大65万円(e-Taxによる電子申告・電子帳簿保存を行う場合)、あるいは最大55万円(電子申告以外の提出の場合)です。
基礎控除が48万円なので、合わせるとかなりの節税が期待できるでしょう。

「自分で帳簿をつける時間がない」と、専門家に依頼する方も珍しくありません。しかし最近では青色申告用のアプリなどが続々とリリースされています。簡単な入力で本格的な帳簿が作成できるので、「専門家に依頼する費用を節約したい」という方はそのようなツールを活用してはいかがでしょうか。

なお、青色申告のためには事前に青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。

軽貨物事業は、年収に関わらず必ず確定申告するべき?

軽貨物事業で働き始めたばかりの方だと、それほど高くない収入に「確定申告しなくて良いのでは」と考えることもあるでしょう。

確定申告の基準は、「働き方」と「所得」がポイントです。

・専業で軽貨物ドライバーをしている:年間の所得が48万円以上なら確定申告が必要
・副業で軽貨物ドライバーをしている:年間の所得が20万円以上なら確定申告が必要

どちらも、収入ではなくて所得で計算することにご注意ください。(所得=収入-経費)

確定申告しないとペナルティが課される

確定申告が必要な所得なのに、確定申告をしないと、無申告加算税や延滞税が課されることがあります。
悪質と判断された場合は罰金や懲役を科されるケースもあるので、「申告をうっかり忘れていた」ということもないようにしてください。

また、確定申告をしないと銀行から融資を受けられないかもしれません。
融資の相談をすると、銀行が確定申告書の提出を求めてくることがあります。しかし確定申告をしていなければ、確定申告書は手元に無く、したがって融資も期待できません。

このように確定申告を怠ると、個人へのペナルティや事業継続などに影響が及ぶことがあるので十分にご注意ください。

軽貨物事業の確定申告は、青色申告のほうがお得です。
複式帳簿の手間はかかるものの、受けられるメリットは白色よりもかなり大きいでしょう。

必要に応じて専門家と連携しながら、抜け・漏れのないように申告してください。