いいことばかり?軽貨物のインターバル制度とは

いいことばかり?軽貨物のインターバル制度とは
2024.06.17配送コラム

いいことばかり?軽貨物のインターバル制度とは

法の改定により、運送業界では2024問題に頭を悩ませています。そんな中、軽貨物事業者にもさまざまな問題が起こっています。本記事では、軽貨物事業のインターバル制度について紹介していきます。

・インターバル制度とは
・インターバル制度の注意点
・インターバル制度導入のメリットデメリット

インターバル制度とは

そもそもインターバル制度とは、労働者の休息時間の確保を目的として定められた制度です。つまり前日の終業時刻から翌日の始業時刻までの時間を一定時間取らなければなりません。

以前は8時間以上を目安にしていましたが、2024年4月1日以降は9時間以上が義務づけられ、11時間以上については努力義務とされました。努力義務とは絶対ではありません。

これにより、軽貨物を含む物流界で働く方々の労働環境が改善されると考えられた制度です。

インターバル制度の注意点

前日の終業時間と翌日の始業時間までの間に一定の休息時間があれば、当然ゆっくり休めるので動労意欲や動労環境の改善ができると考えられていますが、そんなに簡単なものではありませんでした。

なぜなら、物流業界は慢性的な人材不足が問題となっているからです。もちろんそれ以前の労働環境の悪さもあって、若い人材の確保が難しい業種でもあります。そのためドライバーの高齢化問題などが起きているのです。

また、インターバル制度が導入されたとしても、すぐに環境の改善ができるわけではありません。これは軽貨物事業者も同じで、運送会社だけが取り組めばいい問題ではないのです。

その代表的なものが「送料無料」や「翌日配送」です。ドライバーだけではなく荷主側も、インターバル制度についての理解を深める必要があります。

インターバル制度導入のメリットデメリット

ここでは、軽貨物を含む物流業界のインターバル制度導入によって、どのようなメリットとデメリットが出るのかを紹介していきます。

労働者の睡眠の確保による健康維持ができる

インターバル制度の導入によって翌日の始業までの時間が確保できるため、労働者の休息時間が増加します。特に運送業界では他の業種より労働時間が不規則になりがちかもしれません。

そのため、翌日の仕事までの時間が短時間といった会社もありました。身体が休まる暇も睡眠時間も十分にとれなくて、体調を崩してしまう方もいたかもしれません。

このような問題も改善され、一定の睡眠時間の確保や休息が可能となり、健康を崩す不安要素が減ると考えられます。

休息が増えることで生産性がアップする

慢性的な睡眠不足だと、安全に気を付けていても不注意による事故などを起こす確率も上がってしまいます。しかし休息が増えれば睡眠時間の確保ができ、睡眠不足による事故などの軽減が期待できます。

さらに、体調管理がしやすくなって仕事への意欲も上がり、生産性がアップする可能性も高くなる可能性も上がります。こうしたドライバーの健康維持ができるのもメリットです。

理想的なワークライフバランスの実現

インターバル制度を導入することで、ワークライフバランスが確保できます。人は生きていればいろいろな出来事が起こります。例えば結婚したり子どもが産まれたりする可能性があります。

そんなときにこの制度が導入されていれば、仕事と生活のバランスが保ちやすいです。実はワークライフバランスの確保は、人材が定着する要素の一つとされているので、運送業界にとってはメリットとなります。

人材確保のしやすさが期待できる

軽貨物を含む運送業界は過酷な労働といった悪いイメージを持つ方がいます。そんな悪いイメージも、インターバル制度を導入していればいい印象に変わります。

なぜなら、インターバル制度の導入によって、働く環境を改善する努力をしているのを知ってもらえるからです。今、運送業界では若い人材が不足していますから、働く環境を改善することによって若い人材の確保が見込めます。

こうした人材確保の点でも大きなメリットになると考えられます。

デメリットがないわけではない

メリットが多いインターバル制度の導入ですが、デメリットが全くないわけではありません。

どんな制度も導入した直後は混乱するものです。インターバル制度の場合は導入してすぐに落ち着くわけではなく、定着するまでにはシフトの改善や社員の理解も必要です。

よく理解してもらっても、導入してから定着するまでには一時的に全体のパフォーマンス低下の可能性があるかもしれません。これしかデメリットはありませんが、会社全体で取り組む必要があるので大変かもしれません。

ここまで、軽貨物を含む運送業界で働く方の労働環境の改善の助けとなる「インターバル制度」についてと、メリットデメリットを紹介しました。今、軽貨物を個人で行う方も増えています。

特に個人で仕事をすると、軌道に乗るまでは寝る間も惜しんで……と考える方も多いかもしれません。しかし健康と安全な運行を行うためにも、休息時間の確保をして作業効率をアップしましょう。