【軽貨物での開業前に必読】ドライバー起業で意外と見落とされる“法令遵守”とそのリスク管理

- 2025.06.06配送コラム
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【軽貨物での開業前に必読】ドライバー起業で意外と見落とされる“法令遵守”とそのリスク管理
【軽貨物配送の経営者・管理者向け】
“コピペ共有”で書類送検──軽貨物業界に求められるガバナンスとは〜「業務委託」が主流の業界こそ、情報リスク管理が未来を守る〜
・著作権違反が現実のリスクになった今
・軽貨物業界が抱える情報共有の盲点
・個人事業主との契約に潜む法的リスク
・経営者が整備すべき2つのガバナンス
・チェックリストで簡易自己診断
・最後に:信頼こそ、最強の競争力著作権違反が現実のリスクになった今
2025年6月、ある企業の代表と社員が、有料記事を無断コピーして社内共有していたことで、著作権法違反により書類送検されました。
「みんなやっていること」という認識で日常的に“コピペ共有”を続けていた結果、約1万3,000件の違法複製が明らかになったのです。これは、情報を扱うすべての業界に警鐘を鳴らす出来事であり、配送業界にとっても他人事ではありません。
軽貨物業界が抱える情報共有の盲点
軽貨物業界では、ドライバー間で案件情報やノウハウ、業界ニュースをLINEやチャットで共有する文化が根付いています。
その中で、有料記事や社外機密を意図せず共有してしまうケースも散見されます。「役立ちそうだから」「気軽にシェアしただけ」が、著作権侵害や個人情報漏洩に発展するリスクをはらんでいるのです。
個人事業主との契約に潜む法的リスク
軽貨物ドライバーの多くは個人事業主であり、企業との関係は業務委託契約です。
この契約形態は自由度が高い一方で、企業側がドライバー全員に法令遵守の意識や行動規範を徹底することが難しく、コンプライアンスの“穴”になりがちです。
軽貨物業界における法令違反は、「知らなかった」では済まされず、企業全体が処罰対象となる可能性があります。
経営者が整備すべき2つのガバナンス
- ① 情報管理ガバナンス
有料記事の複製・転載の禁止、業務外情報の社内共有ルールを明文化し、LINEやチャットの使用範囲についても明確に規定。 - ② 契約管理ガバナンス
業務委託契約書に、著作権法や個人情報保護法の遵守条項、違反時の責任範囲と解除要件を明記。
これらの整備が、会社のリスクを最小限に抑える第一歩となります。
チェックリストで簡易自己診断
以下の項目に1つでも「×」があれば、早急な見直しが必要です。
- 著作権・個人情報保護のガイドラインが存在する ◯/×
- 業務委託契約書に法令遵守条項が含まれている ◯/×
- チャットやSNSでの情報共有ルールがある ◯/×
- ドライバーへのコンプライアンス説明機会がある ◯/×
- 違反時の対処(損害賠償・契約解除)ルールが明確 ◯/×
最後に:信頼こそ、最強の競争力
軽貨物事業は、単なる物流サービスではなく、信頼を預かる仕事です。情報管理や法令遵守が行き届いていない組織では、荷主企業からの信頼も失われます。
経営者の責任は「走る」ことだけでなく、「守る」ことにもあります。ドライバーと企業を守るためにも、今こそガバナンス体制を見直す好機です。
ハウンドジャパン株式会社|横浜市拠点 軽貨物配送事業部
個人事業主ドライバーとの契約支援・法令遵守マニュアル作成・業務委託運営体制構築のご相談も承ります。 - ① 情報管理ガバナンス