モバイルバッテリーが発火する原因と対策【軽貨物ドライバー必読】夏場の車内放置が危険な理由をデータで解説

2026.04.20配送コラム

モバイルバッテリーが発火する原因と対策【軽貨物ドライバー必読】夏場の車内放置が危険な理由をデータで解説


スマートフォンの充電が切れかけると仕事にならない——軽貨物ドライバーにとって、モバイルバッテリーはもはや「仕事道具」のひとつです。配送中のナビ、再配達連絡、荷物スキャン……フル稼働のスマホを支えるため、毎日当たり前のように使っているはずです。

ところが今、その「当たり前」が重大な事故リスクと隣り合わせであることが、改めて社会問題となっています。今回のコラムでは、最新データをもとに、ドライバーが特に注意すべき「モバイルバッテリー発火」の現実と、今日から実践できる対策をお伝えします。

「まさか自分が」では済まない——急増する発火事故の現実

2025年 火災件数

1,297

リチウムイオン電池による火災(消防庁)

前年比

+32%

わずか1年でこれだけ増加

発火原因 上位

高温下での使用
外部衝撃

消防庁発表

消防庁の発表によると、2025年のリチウムイオン電池による火災件数は1,297件にのぼり、前年から32%増加しました。製品別ではモバイルバッテリーが最多です。日経新聞(2026年4月20日付)の取材でも、出火原因として「外部衝撃や、高温下での使用が上位」と消防庁が明言しています。

1,297件——これを単純計算すると、全国のどこかで毎日3〜4件の発火が起きていることになります。「自分はそんな目に遭わない」は、もはや根拠のない楽観です。

なぜ「ドライバー」が特に危ないのか

一般の方と比べ、軽貨物ドライバーにはモバイルバッテリーの発火リスクを高める要素が複数重なっています。

リスク①  「夏の車内放置」は最悪の環境

真夏、窓を閉め切った車内の温度は60〜80℃に達することがあります。一般的なリチウムイオン電池の「安全な使用環境の目安は0〜40℃」(エレコム社発表)。その倍近い温度に長時間さらされると、電池内部の素材劣化が急速に進み、内部短絡(ショート)による発火リスクが跳ね上がります。「ちょっとそこまで配達して戻ってきたら……」という短時間の放置でも侮れません。

リスク②  荷物に紛れて「衝撃」を受け続けている

バッグの底やダッシュボードに無造作に置かれたバッテリーは、走行中の振動や荷物の移動で繰り返し衝撃を受けています。消防庁が発火原因の上位に「外部衝撃」を挙げているのはこのためです。「落とした覚えはないのに劣化していた」という事例は、日々の小さな衝撃が積み重なった結果かもしれません。

リスク③  充電しながら使う「ながら充電」の習慣

ナビを起動しながらモバイルバッテリーで充電する——ドライバーあるあるの光景です。しかし充電中はバッテリー自体も発熱します。「熱い車内 × 充電中の発熱 × 連続使用」が重なると、通常利用でも内部劣化が進み発火リスクが高まると専門家は指摘します。

リスク④  「何年も使っている古いバッテリー」問題

「まだ使えるからもったいない」と3年・4年と使い続けていませんか。通常の使用でも内部素材の劣化は進みます。外側からは見えない劣化が着実に蓄積されており、使用年数が長いほど発火リスクは高まります。バッテリーが「膨らんでいる」「熱くなりやすい」「持ちが悪くなった」と感じたら、それは危険のサインです。

夏本番前に確認。今日から実践できる5つの対策

対策は難しくありません。意識さえ持てば、今日から変えられることばかりです。

01 車内(特にダッシュボード上)への放置禁止 駐車中は必ず車外に持ち出すか、シート下や荷室の日陰部分に収納。特に夏場の長時間駐車は厳禁。
02 充電中は必ず「換気」と「目視確認」 充電はエアコン使用中・窓開けなど通気のある状態で。充電中に本体が異常に熱い場合はすぐに外す。
03 「膨らみ・変色・異臭」があれば即廃棄 これらはリチウムイオン電池が限界を超えているサイン。使い続けると発火の可能性が高まる。自治体のルールに従い適切に廃棄する。
04 衝撃から守る「専用ポーチ」を活用 バッグの底に無造作に入れるのはNG。クッション性のある専用ポーチやインナーケースで保護することで日常の衝撃ダメージを軽減できる。
05 「2〜3年使ったら買い替え」を習慣に 目安として2〜3年、または充電サイクル300〜500回が買い替えの目安。「まだ使える」という感覚を疑う癖をつけることが事故予防につながる。

📢 知っておきたい 最新の規制情報

相次ぐ発火事故を受け、国土交通省は2026年4月24日から旅客機内でのモバイルバッテリー使用を禁止する安全基準を適用します(日経新聞2026年4月20日付より)。
航空便で荷物を輸送するケースや、出張・移動の際にも影響が出る可能性があります。「知らなかった」では済まされない時代に入りました。

まとめ——安全は「習慣」でつくれる

発火リスクの高い商品の上位に位置づけられているモバイルバッテリー。「気をつけよう」と思っても、毎日忙しい配送業務の中では意識が薄れがちです。だからこそ、「ルールとして習慣化する」ことが大切です。

今夏、猛暑が予想される中、車内の高温 × 古いバッテリー × 充電しながら使用という三重苦の状況を作り出さないために、まず自分のバッテリーの状態を確認することから始めてみてください。

ハウンドジャパンからのお願い

配送中に車両火災が発生した場合、ドライバー自身の安全だけでなく、荷物・車両・周辺への被害が甚大になります。モバイルバッテリーの管理は「個人の問題」ではなく、プロのドライバーとしての安全意識のひとつです。ぜひ今日、ご自身のバッテリーを一度確認してみてください。

軽貨物配送に興味をお持ちの方へ

ハウンドジャパンは安心・安全な働き方を一緒に考えます

参考:日本経済新聞「モバイルバッテリー、国内勢が『燃えにくさ』追究 5割高でも指名買い」(2026年4月20日付)/消防庁発表データ